足下が冷たいなと思っていた。新しい靴が入っているともらった箱を抱えていたが,いざ箱を開けてみると,中身は空で,底が抜けていて足下が丸みえだった。何気なくみると,靴を履いていないだけだった。
裁判所では言論の自由と顧客の権利を無視する著作権カルテル側が勝利し続けている。議会もすっかり知的所有権ロビーのいいなりだ。だが,米国でもっとも影響力のある法律家は,知的所有権法の範囲の拡大を強く非難している。マイクロソフト社の研究者は論文でコピープロテクトは失敗すると結論付け,余計なセキュリティより便利さと安さだと書いている。
簡単に云わなければわからないのなら云えばいい。音楽CDを3000円で売る商売も,DVDビデオを5000円で売る商売ももう成立しないのだ。音楽とは1曲5MBのファイルでしかないし,ビデオとは30分200MBのファイルでしかない。もともとCDやDVDというメディアに金を払っていたわけではない。物理的メディアなどに必要価値などない。5MB,200MBのファイルになんか金を払う人なんかいないと思っている? 違う。買う人は買う。買わない人は買わない。業界は,いったい今「なに」を売っているつもりでいるのか? その意識のない者のつくるものに金など払う必要はない。ファイルを落として満足しろ。それで十分だ。
MSの研究者の論文(過去記事)には「ネットワークによってパンドラの箱が開いてしまった」と書かれているが,ネットワークが一般的でなかった10年前でもレコードを買わない人は買ってなかった。カセットテープで十分だった。開いたパンドラの箱は底が抜けていて,みえていなかった足下の現実がみえただけなのだ。ネットワークを悪者にすればそれですむ,と思っているようなら,もう救いようのないバカ,でしかない。
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